廉は私の話を全く気にしていなかった。


廉は空に「空君はどうして俺の子供になりたいの?」と言い続けた。


しまった!


もし空が真実を言い出したらどうする?


やめて!


「お母さんがおじさんが好きだから、感じられるよ」


私はひそかにほっとした。


廉の目はためらっていた。


どうして?


この表情?




病院からの帰り道、廉はずっと黙っていた。


「どうしたの?」


「六年前、琉菜は恐ろしいことに遭遇したんだよね?だから俺を離れて、こっそり空君を産んだの?」


「どうしてそう思うの?」


廉は私がレイプされたと思ってるの?


変な話ですね。


「ごめんね、琉菜、ほかの男を好きになったのかと思ったけど、今日は空君の話を聞いて、うれしかった。琉菜はやっぱりずっと俺のことが好きだったんだろう」


「うん」


私は確かにずっと廉が好きだった。


「だから、琉菜を傷つけることは絶対に許さない。犯人は逮捕されたのか。単一の罪はすぐに釈放されるだろう。この社会にはゴミはいらない」


「廉、そうじゃない」


「琉菜を守れなかったから、空君が犯人の息子になったんだ……」


「そうじゃない!空は愛の結晶だ」


私は彼が空をそう言うことを許さない。


「愛?」廉は疑問に思っている。


「言ったでしょ。廉に未咲のことは聞かないし、廉にも空のことは聞かないで。ここまでにしよう」