私は森山の車に乗って、窓の外の景色を眺めていた。

廉とあの女は今どこにいますか。何してるの?

あの女は廉が好きでしょう。

森山は私が不機嫌なのを見て、「何があったの?社長が呼んでくれたなんて」と言った。

「未咲ちゃん、知ってる?」

「わかったよ、総理大臣の娘で閑院家は社長と未咲ちゃんを結婚させるつもりらしい」

「えっ?」

森山の表情は急に緊張した。

「言ってはいけないことを言ったじゃないか。社長は君に言ったことがないのか」

私は首を横に振った。

「いいえ」

「ないとしても、望月さんは多かれ少なかれ知っているでしょう。望月さんは社長と結婚するつもりですか」