「そして、明日、病院で空くんに会いに行こうか?」
廉は私と一緒に病院に行くと自分から言ったのか。
「これで本当にいいの?」
「琉菜は行きたくないの?」
「行きたい!」
できれば今すぐでも空に会いたい。
私は今の自分が、『誰も知らない』に彼氏ができて子供を捨てた悪いお母さんのようなものだとさえ思っています。
その時、遠くに突然女の子がいて、廉を呼び止めた。
「閑院さん」
廉は足を止めた。
「未咲ちゃん」
未咲ちゃん？こんなに親しい呼び方?
「ああ、椿さんもいらっしゃいますね」未咲ちゃんが私に向かって言った。
彼女は私を椿さんと見なしたの?
説明しようとしたが、廉は私に軽く首を横に振って、否定を止めた。
どうして?
廉は「未咲ちゃんはどうしてここにいるの?」と言った。
「実は父は近くで仕事をしています。内緒ですよ。あとで何人か議員のおじさんと晩ご飯を食べます。閑院さんは一緒にいますか?」
「いいよ」
こんなに普通に同意したの?
廉は私の手を緩めた。
「森山に迎えに来てもらいます」
さっき廉は私に彼の手を握るように言ったが、結局廉が先に私の手を緩めた。
「うん」
私はとても不快ですが、表現したくないです。
「じゃあ、行きましょう」
その未咲ちゃんは、なんと自分から廉の腕を組んだ。
「椿さん、では」
この女はいったいどういうことですか。
廉はどうして私を残して、あの女について行ったの?
