私は廉のアシスタントにエレベーターに連れて行かれた。


アシスタントの名前は森山(もりやま)で、大学を卒業してから廉についてきて、この6年間でずいぶん大人になりました。


私はわざと森山から廉のことを聞いた。


「あの……椿さんと廉さんがこんなに親しいのに、廉さんの彼女は怒らないの?」


「何言ってるんだよ、社長には彼女がいないんだよ」


「この間別れたの?」


私は追いかけて尋ねた。


森山は私の意図に気づいたようで、「何も申し上げられません」と言った。


「そうだね」


私は考えて、彼の顔を見つめて話を続けた。


「六年前に私が廉を離れてから、廉はずっと彼女がいなかったのではないでしょうか」


森山はあわてた顔をした。


「私に当たったの?」


森山は少し怒った。