菱川くんは甘めが好み


「…わかってるんだけどな…」



心の中でため息をつきながら、会計を済ませて菱川くんの元に戻る。



「…あれ?菱川くん…?」



でも、そこに菱川くんの姿はなかった。



もしかして、私に呆れて帰っちゃったのかな。



一緒に来てくれたのに、勝手に落ち込んで心配かけて…。



当然の結果、なのかもしれない。



「…ぅっ、バカだなぁ、私…」



お店の前にあるベンチに座ると、自然と涙がこぼれ落ちた。