菱川くんは甘めが好み


もしかして、心配させちゃってた?



不安そうに私の顔を覗き込む菱川くんにドキリとしつつも、平然を装う。



「大丈夫、だよ。えっと…これ買ってくるね?」



「あ、千乃…!」



私の名前を呼ぶ声が聞こえたけど、無視してレジに早歩きで向かう。



ダメじゃん私…今のままでも十分幸せなんだから。



欲張り言っちゃダメなのに。



待つって…そう決めたのは私。



もしその時が訪れなくても、それは仕方のないこと。