菱川くんは甘めが好み


「そんなこと…!」



そんなことない、って言おうとしたら、菱川くんは急に優しい顔になる。



何を思っているのかわからないけど、こっちが照れてしまうほど暖かい視線が注がれて。



「でも、千乃は違う。もちろん、俺のことを好きだって言ってくれて、いっぱい話してくれて…今までの子とは違うってわかってる。だからこそ、好きって言ってくれて、頑張るだなんてことも言われて…今、凄く嬉しい。それが、俺の気持ち」


「伝わった…?」とその表情のまま聞いてくるものだから、一気に体温が上昇するのを感じる。



「っ…もう、十分伝わってます…」