菱川くんが何か言い出す前に、私は走り出していた。



一刻も早くここから去りたい一心で教室に戻る。



何か言いかけていたのに、聞けなかった。



拒絶されるのが、怖かったんだ。



妹さんにやる仕草や行動が私に向けられていること。



私を妹のような存在だとおもわれていることなんてわかりきってて。



それを踏まえた上で好きになっちゃったのに、いざ聞くとなるとどうしても怖い。