その男子というのが、他でもないこの学校の王子、菱川涼という完璧人間だ。



「えっと…今日も用事があるんだ。ごめんね」



苦笑いをしながら謝る菱川くんは、とてもかっこいい。



その場にいた女子たちは、菱川くんの表情一つ一つに胸を奪われている様子。



ほとんどの子が頬を赤らめている。



モデル顔負けの長い手足、整った顔。



成績優秀、運動神経抜群、優しく温和。



モテないはずがないよね。