本人に言うなんて、どれだけ馬鹿なの私! 「…ぷはっ、河合さんって面白いね」 「っ…!」 いつもの優しく知的な笑顔じゃない、年相応の高校生男子みたいな笑顔を見せる菱川くんに、思わずドキッとしてしまう。 あまり見ない姿に、キュンとしてるのは多分そのギャップのせいだ。 それでも、さりげなく車道側を歩いたり歩幅を合わせたりしてくれているのはとても彼らしい。 …なんて、菱川くんのことを語れるほど詳しくないし、親しくもないんだけど。