昨夜、何かあったわけでもないのに、不思議。

「やれることから少しずつ、片付けていかないとな」

伸びをしながら貴一が言う。

まずは、互いに安心して仕事に行けるよう、貴明の保育園探しをしなくては。

幸い、ここの自治体は福祉関係に強く、待機児童ゼロと聞いてはいたが、本当だった。

「都会じゃ、こうはいかなかったかもね」

東京出身の私は、貴一と出会う前まで、いつかまた東京に戻りたいという思いもあったが、今はもう、そうは思わない。