そして翌朝。

昨夜は、とても甘い夢を見た。

甘い夢からさめて残念だったが、ふと、今も貴一に抱き締められたままであることに気付く。

現実の方が幸せだ。

そっとベッドを抜けようとすると、

「んー…明菜…?」

貴一を起こしてしまった。

「あ、ごめん。起こしちゃって…」

「…おはよう」

寝ぼけ眼の貴一の「おはよう」は、いつもの朝、バタバタしながらの「おはよう」とは違い、破壊力が凄まじい。

無防備なところが妙にセクシーなのだ。