貴一は、表情も振る舞いも、泰然自若に見えるのに、心臓は嘘をつけないようだ。

「おやすみ、私の旦那さま…」

こんな状態では、きっと眠れないだろうと思っていたが、しばらくすると、心臓の早鐘も穏やかな鼓動へと変わり、いつの間にか眠りに落ちていた。