貴一は目を閉じて、すぐに眠ったかのように見えたが、

「明菜…起きてるか?」

囁き声で貴一は尋ねてきた。

「眠れるわけないじゃない、こんな訳のわからないことになって…」

「だよな。明日、有給使えそう?俺は大丈夫だけど」

「うん…突然休むのは悪いなと思うけど、事情が事情だもんね。有給も全く消化してないから、休ませてほしいってお願いしてみる」

「そっか。じゃあ、明日はまず、市役所に行こう」

「警察じゃなくて?あ、でも市役所でも相談できるところはあるかもね」

「あのなぁ…。警察でどうやって婚姻届出すんだよ。それにもう、警察とは話したろ?」