「こんにちわ。どうしたんですか?」
「会いに来た。」
「は?」
「昨日、会えなかったから。」

『何言ってんの?自分は彼女とデートしたくせに。生徒より彼女を優先したくせに。だいたい、彼女いるのに、誘ってきたり、会いたいって何?』

「冗談はいいです。今日はゆっくりしたいんで。帰って下さい。」
「じゃあ、俺んちでゆっくりしたら?」
「放っておいてもらえます?」
「嫌だ。放っておけない。」

 一瞬、ドキッとした。
 しかし、気持ちを切り替えた。
 このまま先生が帰るとは思えない。

「玄関で、言い合いしてると、近所の目があるんで、とりあえず、中に入って下さい。」
 中に入ってもらった。