私は、花崎 唯(ゆい)。この春、高校3年生になった。
 親は、2人とも、医者。医療法人花崎会の花崎総合病院の院長と副院長。ちなみに会長は私の祖母。
 3病院あり、父の兄が理事長。そんな親族の元に生まれた、1人娘。

 小さい頃から、作法や音楽・勉強などあらゆる習い事をして、徹底的に教育されてきた。
 それでも、私の指名だと思い、必死に期待に応えようとしてきた。
 そのおかげで、親は、私に期待をしている。

 小学生になり、地元の小学校に通うった。友達もちゃんといた。
 しかし、高学年になるにつれて、少し関係性がかわっていた。
 
『友達は母親に、私に対して失礼がないように・・・。』
 と言っているようだった。
 私と友達のしおりちゃんが喧嘩したとき、お母さんが謝罪に来た。
「申し訳ございません。うちの子が・・・」
「大丈夫ですよ。」
 そんな会話を耳にしたことがあった。