「俺様は昨日サンタの野郎と全国の子供達の為に、プレゼントを渡したんだ」
興味がないのか、周りのトナカイ達は「アラン」を避けて他の同僚達と話してる。
ーー相当、嫌われてる?
ーーしかも、誰も隣に座ってこない。「アラン」と二人だけって完全に「アラン」の相手をしろって事なの!?
私は頭を抱えた。
絶対、ハブられてる。
最悪だ。
「それでよー、サンタの野郎今年は赤字だったみたいでここや地域だけ「子供達」のプレゼントだけ買えなかったみたいなんだぜ?知ってたか?」
「知るわけないじゃんっ!!」と言えるはずもなく黙って「そ、そうなんですか……ははっ」と愛想笑い。
大人が「上司の話になんで俺が付き合わなきゃならないんだよっ!!」と愚痴りたくなるのも分かる気がする。
「そんでよー、サンタの野郎赤字の予算を頑張って引き伸ばして買ったのが「空飛ぶパジャマ」ってやつでさ〜」
「え……「空飛ぶパジャマ」ってそういう理由で!?」
「早く帰りたい」なんて思っていた矢先、そんな話をしてきた「アラン」。
「じゃ……じゃあ、私が願っていた「大きなドールハウス」が届かなかった理由って……」
アランは大きなゲップをして、こう言った。
「あぁ。この年にサンタの野郎、恋人が出来ちまってよ、その恋人に金を使いすぎて赤字になって、お前さんが着てる「空飛ぶパジャマ」がプレゼントとして出回ったって事さ」
衝撃的な理由に、開いた口が塞がらない。
「エッーーー!?」
その声は空高くまで舞い上がり、夜親が一瞬目を覚ましたのは、私は知る良しもない。


