家に近づくにつれて、鳴り止まないベルの音。




このベルの音はーーーサンタクロースのベルの音だ……でも……あれ?




なんでなの?




サンタクロースは、昨日で仕事終わったはずなのに……?




どんどん家が近づいてくる。




雲隠れしている家。




え、ちょっとまってよ……。




「家が雲に……包まれてない!?」




それは家を覆う三メートルぐらいある、大きな雲だった。




私は家の前に降り立ち、真正面から見据えた。







入り口部分は、流石に雲に包まれてないが、私の二階の部分や、屋根、壁、全て雲に包まれている。




分厚い、綿菓子みたいな柔らかい雲で。




「……あれ?なんか屋根の上やたらに大きな雲の空間が……?」




私は地面を蹴って、その雲の膨らみに近づく。



その真正面にあったのは、真っ赤な扉。




金色の取っ手が輝いて、豪華そうな可憐な雰囲気感じる。





躊躇する事なく、私は扉に手をかけ開けてみる。




そこにいたのはーー飲み食いしている赤い帽子を被った茶色のトナカイたちだった。