「何言ってるよ!!これはねただの「パジャマ」じゃないのよ?」
ただの「パジャマ」じゃ無い?
ゴミ箱に捨てようとしていた、ピンク色の「パジャマ」を持ったまま固まる。
「そのパジャマはね、夜に着て体が浮くところを念じると、体が浮いて空を泳ぐように飛べる画期的なパジャマなのよ。この「空飛ぶパジャマ」は」
「そんな、馬鹿な話あるわけないっ!!」
「本当よっ!!」
しばらく、言い合った後。
「ーーあー、もうっ!!分かったよ。そんなにいうなら、捨てないよっ!!ただ、今日の夜本当かどうか確かめる為に、試すからねっ!!」
お母さんは自信満々に、「試してみなさい。本当なんだから」と豪語。
そうゆう事で、今日な夜この「空飛ぶパジャマ」を着て本当に空が飛べるのか実験を決行。
お母さんが「あ、ちゃんと説明書読んでからしなさいよー」と言ってたのを、聞き流してしまったけれど。
❤︎
早速、夜がやってきた。
辺りはひんやりした、9時半。
勉強、明日の準備などを終わらせてパジャマに着替えた私。
本来ならここで眠るはずなのだが、確かめる為に夜更かししているようなものだ。
パジャマに着替えた瞬間、私は目を瞑り祈る。
「空を泳ぐように、飛べますように」
目を開ける。
見えたのは私の散らかった勉強机、可愛いぬいぐるみが置かれたベット。
いつも通りの私の部屋。
「なんだ、やっぱり嘘じゃん」


