「なに?莉子ったらヤキモチ妬いたの?」


「・・・・・・え」


「臣はねぇ、本当に幼馴染で“投資の”パートナーなのよ?」


「信じないっ」


「なんでよ」


「だって」


「日曜日だって、駅前でイチャついてた」


「・・・ん?それを見たってことは
あの時点では実家に行ってなかったってことよね?」


「・・・」


「ねぇ」


「・・・」


「それってさ、トータルすると
莉子がアタシのことを好きってことになるけど」


緩む頬を隠せないまま莉子に詰め寄ると





「・・・違う、の」


そう言った途端、莉子の両目から涙が溢れ始めた

瞬きを繰り返すたび流れる涙に
胸がキュウと締め付けられる



「莉子」と名前を呼べば
莉子の視線が揺れる


抱きしめたい衝動をどうにか抑えながら


「莉子」


もう一度呼びかけると


一度肩で息をした莉子は
そこで息を止めて


俺を真っ直ぐ見つめてきた


その瞳に囚われているうち


聞こえてきたのは




「好き」




絞り出すような莉子の想いだった