「・・・ち、がうよ、凛さん」


「違う?」


涙が溢れる莉子を慰めてあげたいのに
自分の思いを優先させた俺は


「アンタからのメッセージに返信したけど
未だに既読になってないのは
そういうことなんじゃないの?」


更に莉子を泣かせてしまった


「莉子、アンタがどうしても色黒とよりを戻すって言うなら
アタシは反対はしないわよ?
浮気されたって、そんなダメンズが好きな人もいるからね?
でも・・・そうじゃないでしょ?」


携帯電話を取り出して
メッセージを確認した莉子はそのまま黙り込んでしまった


「今日は遅いからお風呂に入って寝なさい」


これ以上莉子を泣かせる訳にはいかない
それだけを告げるとリビングを出た


そのまま三階へと向かった俺は
アトリエに入ると鍵をかけた




・・・




朝まで延々とした自問自答


これ以上ないというほど考えて



答えを出した




莉子が出勤してから
リビングに下りると


使われた形跡のないキッチンに胸が痛む


「馬鹿」


帰ってきたらお仕置きだから


もう間違わないと決めたから


今日は一か八かの勝負に出る


そう決めてから


気持ちは晴れていて


[今日、凛さんの仕事の前に少し話があります]


  [了解]


お昼に莉子からメッセージをもらったあとは少しお昼寝もした