翌日、月曜日は
結局一日中なにも手につかなかった



夕方


[食事に行ってきます]


届いた莉子からのメッセージに


[食事が終わったら連絡して迎えに行くから]


慌てて返事をしたけれど
それが既読になることはなくて

心配しているうちに


同業者のアビ子ママからの着信画面に変わった


「もしもし?」

(お疲れ〜)

「なに?」

(なによ〜不機嫌ねぇ、意外な奴を見かけたから電話してあげたのにぃ)

「意外な奴って?」

(あの色黒クソ男よ)

「は?どこで?」

(その様子じゃ、知らなかったのね)

「顔も見たくない奴」

(顔も見たくないクソ男は凛の店前に居たわよ?)

「今?」

(三十分前くらいかな)

「なんで直ぐ電話しない」

(あ〜ら、アタシだって忙しいのよ)

「それはサンキュ」


出来るだけ平静を装って電話を終わらせたが


手が震えるほどは焦っていて
そのまま臣に電話をかけた


(もっし〜)

「店の前に清水が居たらしい」

(イキナリだな、おい
辞令が出たからじゃねぇか?)

「そういうことか」

(会ったのか?)

「いや、見かけたと電話があった」

(ま、そんな奴だろ、勢いに任せて来たけど
大方その勢いも着く頃には消えてたってことさ)

「・・・だと良いが」

(莉子ちゃんから連絡は?)

「それが、食事に行くってメッセージをもらったが
返事に既読すらつかない」

(奴と会ってるとは思えねぇが)

「少し待ってみる」

(あぁ、そうしろ)


臣との電話を終えてからも
莉子へ送ったメッセージは既読になっていなくて


[大丈夫なの?]


もうひとつ送ってみた


反応もない携帯電話を見つめていると
また着信画面に切り替わった