中央駅に隣接するデパート

そのレストラン街に入っている蕎麦屋さんで
先に待っていた真澄と合流した


「遅〜い」


「ごめんごめん」


青木と同じく真澄も膨れていた


「人事部に行ってたら遅れたの」


「人事部?」


「転居届を出しに」


「「引っ越したの?」」


見事にハモった二人が面白い


「うん。まぁね」


「なんで?莉子、気に入ってたでしょう?」


「えっと、洸哉と別れたの」


「「えーーーっ」」


響いた二人の大声に驚いて


「シーーッ」


慌てて人差し指を口に当ててみたけれど
周りの視線を集めた後だった


その視線達に三人で頭を下げてから
声のトーンを落とした


「それで携帯が変わったの?」


「うん。まぁ、正確に言えば番号が変わっただけ」


「冗談、じゃないよね?」


「んな訳ないじゃない」


「あれだけ一筋だったのに?」


「水曜日、約束はしてなかったけど
洸哉のマンションに行ったでしょ?」


「うん」


「浮気してた」


「「っ!!」」


今度は二人共口を両手で覆って目だけを見開いている


「・・・浮気?」


「ヤってる最中だった」


「「っ!!」」


「サヨナラって飛び出して・・・
気がついたら繁華街の奥に入り込んでいてね」


「・・・・・・莉子」


「道の真ん中で大泣きしてたの」


本当なら泣き出しそうな内容を
冷静に話せるのは、間違いなく凛さんのお陰


「中井・・・」


「そこに凛のマスターが現れて」


「「凛子ママ??」」


「そう」


「で、どうなったの?」


「えっと、ルームシェアすることになった」


「「・・・は?」」


凛さんから同期の二人にだけは話しても良いと言われたから


口外しないことを約束して貰って経緯を話した


「凛子ママなら女同士ってことになるのか?」


青木の疑問はよく分かる


「うん、まぁ、そういうことになるかな」


「ちょっと待ってね・・・情報量が多すぎて混乱してる」


そう言って瞬きを繰り返す真澄

別れたこととルームシェアが繋がらない二人に

部屋が荒らされていたことと
豹変した洸哉の話をしたところで

お昼休みが終わった