前回のあらすじ。


転びそうになったところ、ハルくんに助けられた私。

後ろから抱きしめられるように助けられてドッキドキ!


というのは嘘で、確かに後ろから抱き止められたけど、それに対してはドキドキしていない。


実は一部始終を、瞬や森下さん、クラスメイトの女子たちに見られていたらしいの。

それを知らない私は、呑気に楽しくお食事中。


──っていうのが、今現在。


外で食べるカレーは美味しいなぁ。

みんなで食べるカレーは美味しいなぁ。


……あーあ。

このまま平和に過ごせればよかったのになぁ……。


「昨日、ハルとキスしてたの有咲でしょ!」


森下さんの何気ないひと言で、私の気分は急転直下。

どん底まで突き落とされる。


……何気ない?

違う。この顔、確信犯だ。


妙にニヤついた笑顔。

あえて周りに聞かせるような大きな声。


6人1席のテーブルに班ごとに座って食べていたけど、その声は周りの人たちにも聞こえて……。

瞬間、視線がバッと向く。


どうやら森下さんは、私とハルくんをくっつける気でいるらしい。