肩ひもの部分をそれぞれ持つことで力が半減。
助かる…!
「おっ。ハルも手貸してくれんの?」
「そのつもりで残ったから」
顔を上げると、ハルくんが瞬の反対側に立って肩を貸していた。
私と優雨ちゃんで荷物を持ち、瞬とハルくんが両側から先生を支える。
5人で力を分け合ってゴールを目指すことになった。
助け合う。
……こういうのいいな。
「すいません……っ。僕、体力ないのに……調子に乗って、喋りすぎてしまい……っ」
「何があったのか知らないけど、喋る元気があるなら登れそうですね」
私が『アリの行列』と呟いたことで先生がアリ談義を始め。
興味がないと言ったらシュンとしちゃったので、嘘をついてでも『興味あります』と乗せてしまった。
なんて言ったら、瞬に笑われそうだから言わない。
「実は俺も昔、助けてもらったことがあるんですよ」
先生の歩幅に合わせてゆっくり足を進めていると、瞬が口を開いた。
足元に視線を落としながら始めたのは、昔話。
「小4の頃、遠足で山登りしたんですけど……俺、途中で足を挫いちゃって……。でもどうしても登りきりたくて。そんなとき、クラスの子が『おんぶしてあげる』って言ってくれたんです」
えっ……、その話……。



