朝、キスして。


校舎を歩いているとき、集会等で全校生徒が一堂に会するとき。登下校はもちろん、家の近くでも。


だけど、教室へ会いに行ったり登校時間を合わせたりしない限り、有咲を見かけることはなくて。

わかったのは、今の俺の世界には有咲がいないということだけ。


そんな毎日の中で、俺は……距離を置いたのは間違いだったんじゃないかと思うようになった。


一度だけ、有咲親子とスーパーで出くわしたことがあって。

母親がいる手前、有咲は俺を無視できるはずもなく。すっげぇわかりやすい作り笑顔を見せてくれた。


もうちょっと笑顔の練習しろよ、と思うぐらいあからさまな愛想笑い。

それでも俺は、久しぶりに有咲の笑顔を見れて嬉しかった。


単純なんだよ、俺。


そして、答えが見つかるときも単純。


有咲を見つけられたら嬉しい。

有咲に会えなかったら物足りない。

一喜一憂して……。


有咲と離れたことで、ようやく気づいた。



俺は有咲が好き。



それも、ずっと前から……。