朝、キスして。


彼氏できたんだ……。

そっか……ならこれでよかったんだな、きっと。


有咲が幸せを掴めたなら、距離を置いたのは間違いじゃなかった。

どうしていいかわからないまま進んできた道は、不正解じゃなかった。


俺は安堵して、隠れるように小さな笑みを浮かべた。


しかし……。


有咲には彼氏がいる。

今度はそのことが俺にモヤを落とした。


これでよかったはずなのに、いまいちスッキリしない。

悶々とする日々。


そのモヤを取り払ったのは、まもなくして俺の耳に入ってきた“有咲が彼氏と別れた”という噂だった。


わからない。


有咲の幸せを願っているはずなのに、別れたことを喜んでいる自分がいる。

有咲に彼氏ができたと知ったときよりも安堵している。


自分の心がわからない。


……でも。


だからこそ、考えてみようと思った。

向き合ってみようと。


それから俺は、有咲の姿を探すようになった。