朝、キスして。


直後、バカみたいな笑い声が響いていた部屋が、急にしんと静まり返った。

みんなが俺の返答を待っているのがわかる。


だから……。


眠い。すんげぇ眠いけど。


「うん」


答えるしかなかった。


「返事は?」

「断った」

「マジかよー。もったいねぇ」


再び賑やかになる。

ほんと、恋愛話ならなんでも興味を持つよね、君ら……。


「瞬ってモテるのに彼女作らねぇよな」

「理想が高いんじゃないの」

「イケメンだからな」


そして、好き勝手言う。


面倒くせぇ……。

楽しそうで何より、とか思っちゃったけど、その有り余る体力は明日の山登りに残しておけよ。


まあ、夜限定の体力なんだろうけど。


「瞬はどんな子がタイプなの?」


すると、賑やかな声の中を抜けて、誰かから疑問が届いた。


「それ気になる」

「確かに聞いたことないよな」


聞いたことないっつーか……話したことないしな。

今までタイプを訊かれても「わかんない」って答えていたから。