キス?
なんのことだろう?
……ただ。
確かに今、私はハルくんに壁に追い詰められていて。
触れそうなほど顔を近づけられている。
傍から見れば、私たちはキスしているように見えるのかもしれない。
ドラマとかである、本当はキスしてないんだけど、角度によってキスしてるように見える高度な技。
それをハルくんがやるなんて……普通思わないじゃん?
ハルくんが何事もなかったかのように離れても。
「いなくなったな」
「……」
驚きで言葉が出ない。
壁ドンしてキスのふり。イケメンにやられたら胸キュン間違いのシーンでも、実際にされると驚きが勝る。
「なに?」
「…ハルくんでも、こういうことするんだなって思って……」
瞬ならまだしも。
「うん、まあ……咄嗟だったもんで」
「ハルくんって彼女いるでしょ」
今の行動で確信した。
慣れてないと咄嗟にできないよ。



