朝、キスして。


停電のときだけじゃない。

小学生の頃までは、結構当たり前に手を繋いでいた。


ただ、やっぱり小学生と高校生では繋ぐ意味が違ってくる。


園児の散歩程度だとは思えなかった。

一瞬でも瞬を男だと意識した、それが私の敗因。


────ドン。


そんなことを考えながら館内を歩き回っていると、誰かにぶつかった。


「ごめんなさいっ」


咄嗟に謝罪の言葉が出てから、顔を上げる……。


目の前にいたのはハルくんだった。


「こっちこそ悪かった」


氷王子──端正な容姿と硬派な性格からそんな異名がついているハルくん。

“クール”や“凛々しい”というイメージが強いけど、今は、お風呂上がりのせいかいつもと違って色っぽさがある。

普段は青色のオーラなのに、今は赤紫系の色のオーラをまとっている……みたいな。


鼻を掠めるせっけんの香りと相まって、ちょっとドキッとする。


だけど、なんだか焦ってるみたい…?