朝、キスして。


「有咲、大丈夫?」

「え?」

「怖いの苦手だったろ」


一歩前を歩く瞬が振り返ってそう訊く。

……そんなこと言ったっけ?


「あ、違った。暗いのが苦手なんだっけ。昔、停電したときずっと泣いてたもんな」

「今は大丈夫だもん」

「どうだか。今でも豆電球にしないと眠れないの?」

「……っ」


これだから幼なじみって嫌だ。

なんでもお見通し、みたいなさ。


「図星か。怖いなら俺の服掴んでてもいいけど?」

「いい」


子ども扱いされてるみたいで癪に障る。


暗くなければ大丈夫だもん。

懐中電灯さえあれば……とそのとき。


頼りだった懐中電灯の電気が消えた。


「え!」


思わず何かに飛びつく。


すぐに点灯。

私がしがみついていたのは……。


「素直じゃないねー」

「ちがっ……これは」


瞬の背中だった。

拒否したばかりなのになんてことっ!