「あー……しんど……」


部屋で1人になって、思わず呟いてしまった。

何度、理性が飛びかけたことか。

俺、このまま耐えられんのかな……。


「瞬、おまたせー」と有咲が冷却シートを持って、部屋に入ってきた。


「有咲……今日はもう、帰ったほうがいいんじゃないかな?」

「どうして?」

「風邪うつるかもしれないし……」

「大丈夫だよ」


俺が大丈夫じゃないんですって……。

このギリギリのところで粘ってる俺の気持ちをわかって!


「シートつけてあげる」

「っ!」


電波障害かと思うほど伝わらず。有咲が迫ってきた。

ベッドの上に座る俺の額に冷却シートを貼ろうとする。


ふと、視界に飛び込んできたのは、四つん這いの体勢になる有咲の胸元。


「っ!!!」


磁石に弾かれるよりも早い反射神経で俺はのけ反った。