ただ、このときは少し違った。
「有咲と何かあった?」
黒板に貼ってある試合時間の予定表を眺めるハルに横から声をかけた。
「なんで?」
「なんとなく」
ハルが有咲に声をかける場面に何度か遭遇しているから、2人が普段どんな空気感で話すのか知っている。
だからこそ、今の短い会話のなかに違和感を覚えた。
学級委員という呼び名にしても、有咲の反応にしても。
距離があるように感じた。
──ってだけなんだけど。
「別に何もないけど」
それなら気のせいか。
何もないと言われて納得できるくらいの違和感だったから、気のせいならそれはそれでよかった。
会話を切り上げようとした私の耳に続いて届いたのは、
「まあ、あったとすれば告ったことくらい」
あまりにもさらっとこぼした違和感の正体だった。



