朝、キスして。


私は学級委員ではないけれど、隣にうちのクラスの学級委員がいる以上、反応せざるを得ない。

振り返ると、ハルがいた。


……学級委員?


「はい」

「体育委員が呼んでた。体育館にいるから来てほしいって」

「わかった。ありがとう」


「ちょっと行ってくるね」と有咲は駆け足で向かった。


そんな有咲の後ろ姿を見えなくなるまで見送って、


「次、準決勝だよね。頑張って」


隣のハルに応援の言葉をかけながら教室に入る。


「どうも」


渡邊晴臣。

出席番号がひとつ前のクラスメイト。


“氷王子”なんて異名をつけられるほどのイケメンらしいけど、私にとっては必要最低限の会話しかしないクラスメイトにすぎない。


席がえをする前は前後の席だったから、いつも見ていたのは背中。

わざわざ声をかけてまで話すのは片手で数えきれる程度しかなくて。

スポーツ大会での活躍にクラスメイトとして応援の言葉をかけることくらいはしても、それ以上話を展開させたりしない、そんな関係。