朝、キスして。


瞬と優雨のことで自分の心と向き合う有咲。


『でもこの話、修行するより瞬に話したほうがいい気がするけど』

『うん……。でも……、瞬にはできない、かな。……なんでだろ。ハルくんにはできるんだけどなぁ』


今にも泣きそうな顔を見たとき、俺は気づけば彼女に触れていた。


なんでかわからない。

わからないけど……。

そんな顔するなって、元気づけたくて頭を撫でていた。


気持ちが出ていくのを鍵もかけずに待っていたせいだろうか。

一度タガが外れると、もう元には戻せない。