期待はしていなかったけれど、できればそこにいるのは瞬がよかった……。
なんて惨めな思いを抱く自分が情けない。
「どこ行くの?」
「うーん……トイレ?」
「そっち行き止まり」
私が向かっていた先は廊下の行き止まりだったらしい。
一応、非常階段があるけれど、普段は生徒の立ち入りを禁止されているから行き止まりには変わりない。
「うんごめん。適当に歩いてた。それより……」
手をつかまれたままだ。
離してもらいたくて手を引いても、ハルくんがぎゅっと力を込めてくる。
なぜかその表情はひどく険しい。
すべての事情を知っているハルくん。
私を追いかけてきてくれたのは、心配したからだよね?
でも、どうしてそこまで思いつめたような表情を……。
「えっ、ごめん……。私、そこまで心配かけちゃった?」
教室にいるのが辛かったのは事実。
だけど、私自身はそこまで思いつめてはいなくて……。



