靴を履き替えて校舎を出ると、見知った人物が玄関の階段に腰を下ろしていた。
誰か待っているのかな?
そのまま通りすぎてもよかったんだけど、無視できるほど浅い仲じゃないから
「誰か待ってるの?」と声をかける。
彼は顔を上げて、
「うん、待ってた」
と答えた。
座っていたのはハルくん。
目立つことをしているわけじゃないのに、結晶をまき散らすみたいにオーラをキラキラさせているからすぐにわかる。
いろいろ気にかけて話しかけてくれるし……無視して通りすぎるわけにはいかないよね。
にしても、なんか違和感のある返答だったけど……。
“待ってた”?
……過去形?
「テストどうだった?」
「え?……あ、うん、まあ普通かな」
まさかハルくんから『テストどうだった?』なんて会話に困ったときの常套手段みたいな問いを受けるとは思わなかったから、一瞬疑っちゃった。
え?なんの話?って……。



