身体を押し戻される。
「有咲どうした?昨日からやっぱおかしいよ」
拒否、された……っ。
「……おかしくないよ」
「なんかあった?俺に言えないこと?」
何もないよ、何もない。
何もなかったんだよ。
「うん、言えないこと」
私は笑顔でそう言いきった。
大したことじゃないって瞬には思っていてほしいから。
「冗談だよ、ごめんね。朝ご飯食べて、一緒に勉強しよ」
明るく言って冗談に変えてしまった。
もしかしたらそれさえも、瞬には違和感に映っているのかもしれない。
どうして瞬が私の異変に気づくのかわからない。
自分でも気づけない嘘発見方法があるなら、いくら取り繕ったところで無駄なのかも。
だとしても、言えない。
言わない。
言いたくない。
私じゃない別の女の子の瞬への気持ちを、私の口からは伝えたくない。
それに、問題は他にもある。



