朝、キスして。


朝の8時前。

家を出て向かうのは、学校とは反対方向にある隣のおうち。


「おっ、有咲。おはよ」

「おはよー」

「いつも悪いね、うちの愚息が」

「いえいえ」


チャイムを鳴らそうとしたら、ちょうど瞬パパが出てきた。


スーツ姿の瞬パパ。

2人は似ているから、瞬がスーツを着ているみたいでいつもむず痒くなる。

瞬を見ても、瞬パパが制服を着てる、とはならないのになぁ。


駅方面へ歩いていく瞬パパを見送ってから家に入った。


「お邪魔しまーす」

「はーい」


遠くから瞬ママが応答してくれた。


私はまっすぐ2階へ。

階段を上がって、角部屋が瞬の部屋。


寝ているとわかっていても、一応、ノックをする。


────コンコン。

しーん……。


返事はなし、と。


ゆっくりドアを開けると、薄暗い部屋から瞬の匂いがした。

慣れているとはいえ、やっぱりちょっとドキッとするんだよね。