朝、キスして。


私の有咲への第一印象は、弱そう、だった。

友達がいないと生きていけないような……言い方悪いけど、ひとり立ちするつもりがない──そういう弱さを持った子だと思っていた。


その印象はほぼ見た目から来るもので。

華奢な身体、血色感のある肌、大きな目、ふんわりした髪。特にその、控えめな態度がゆるい雰囲気の源。

守りたくなるような可愛い女の子の権化、と言っても過言ではない。


ところがどうだろう。

瞬といるときの有咲は明るくて、ハルと噂になったときは『気にしてないよ』と笑顔を見せた。


「見た目とのギャップのせいかな。有咲って思ったより逞しいな、って感じることがあるんだよね。ハルと噂を立てられても気にしてなかったし、私の嫌味にも動じなかったし」

「嫌味言ったの?」

「嫌味のつもりがあって言ったわけじゃないよ。ただ、人によっては傷つく言葉を言った──のに有咲は動じなくて、それどころか……」


“私は優雨ちゃんが一緒にいてくれて助かってるよ”

そう言った。

あのときの言葉が心にこびりついている。


「そういう意味では強いかもな。……小学校高学年くらいだったかな」


そう前置きをして、瞬が言葉を紡ぐ。


「あの頃、男女間の壁がすごくてさ。男子と仲良くする女子は『男好き』って言われて、逆もしかりで……。でも有咲は、『一緒にいたいからいる。周りは関係ない』って。その頃からそういう強さはあった」


有咲らしいな、って瞬時に思うということは、それなりに有咲を理解してるってことだろうか。

瞬はさらに言葉を続ける。