朝、キスして。


吉田……?

そういえば、隣の学区だったっけ。

この辺りに家があるんだ。知らなかった。


というか、さっきの男は……。


瞬の後ろ──来た道を見ても男の姿はなかった。

気のせいだったのかな?


ほっと息をついて、ふと。

あれ?今、『この場合』って言った?


「気づいてたの?」

「うんまあ。やっぱり、そういうこと?」

「わからない……」

「とりあえず、家まで送ろうか?どのくらい?」


知り合いに会って声をかけたのではなく、後をつけられているのに気づいて声をかけてくれたのか。

ただのクラスメイトに頼っていいのか迷ったけれど、未だに尾を引く恐怖心には勝てず。


「5分くらい。……ありがとう」


ここは素直に甘えることにした。