朝、キスして。


***


「お疲れ様でした」

「お疲れー」


夜10時過ぎ。

バイトが終わって、店を出る。


見慣れた夜空に星はなく、雲が月さえも覆う。


週に3日、夕方の時間帯で入っているこのバイトも、気づけば半年が経った。

駐輪スペースがないために自転車通勤ができないのを除けば、希望通りのシフトで入れてくれるありがたいバイト。


夏休みになったらもう少し時間を増やそうかな。


なんて考えていた私の思考が、突如、停止する。

……あの人、まだいたんだ。


店を出てすぐ。

家とは反対方向の道端で、ガードレールに腰かける男を発見した。


今は黒いパーカーにジーンズというラフな恰好をしているけれど、制服姿を見たことがあるからたぶん同い年くらいの男の子。

最近、よくお店に来るようになったお客さんだ。


今日も9時半くらいに来て、漫画を立ち読みしたあと、ガムを買って退店した。

滞在時間は、どのくらいだったかな。

……15分くらい?