準備室のドアに追い込まれて、顔が近づいてきて。
さすがに何をされるかわかった。
わかったけど……。
いきなりで心の準備ができてない!
少し距離を戻した瞬は、
「だめ?」
と子犬のような目で見つめてくる。
子犬は子犬だけど、見え隠れするどう猛さ。
いつ牙を剥いてもおかしくない、それを可愛いイメージのある子犬と繋げていいのかはともかく。
どこでそんな技を覚えたの!?
「ダメじゃ、ないけど……」
ちらっと振り返って。
「やっぱダメ!」
すぐさま前言を撤回。
私はしゃがんだ。
「なんで?」
立ったままの瞬が上から圧をかけてくる。
ダメダメ、絶対ダメ!
だって……。
「人が通るかもじゃん!」
「?」
教室のドアは上がガラス張りになっていて、外から見えるようになっている。
今はたまたま人がいなかったからいいけど、もし人が通っていたら……。



