朝、キスして。


授業が終わって、職員室に向かう途中。


「ごめんって、有咲」


スタスタ早歩きする私の後ろを、瞬が謝りながらついてくる。


なんであのとき笑いが起きていたのか、ハルくんから聞いたらしい。

謝っているくせにどこか嬉しそうな瞬に、私はたっぷりの不満を顔に乗せる。


「恥かいた。もう二度とあんなことしない」

「なんで?俺は、助けようとしてくれて嬉しいよ」

「冗談じゃないよ。本当に恥ずかしかったんだから!」


立ち止まって身を翻し、力を込めて言うけど。

思い出しただけで……ほら、また顔が赤くなる。


両の手で頬を覆うと、顔面にはしっかり熱が帯びていた。

鏡を見なくてもわかる。

私の顔はきっと、まっかっか。


すると、なぜかその手を瞬に取られて……。


「えっ、ちょっと……なに!?」


わけもわからず、空き教室に連れ込まれる。


──そして、冒頭に至る。


「ま、まって……!」


鼻と鼻が触れる位置で動きが止まった。

……というか、止めた。