授業が終わって、職員室に向かう途中。
「ごめんって、有咲」
スタスタ早歩きする私の後ろを、瞬が謝りながらついてくる。
なんであのとき笑いが起きていたのか、ハルくんから聞いたらしい。
謝っているくせにどこか嬉しそうな瞬に、私はたっぷりの不満を顔に乗せる。
「恥かいた。もう二度とあんなことしない」
「なんで?俺は、助けようとしてくれて嬉しいよ」
「冗談じゃないよ。本当に恥ずかしかったんだから!」
立ち止まって身を翻し、力を込めて言うけど。
思い出しただけで……ほら、また顔が赤くなる。
両の手で頬を覆うと、顔面にはしっかり熱が帯びていた。
鏡を見なくてもわかる。
私の顔はきっと、まっかっか。
すると、なぜかその手を瞬に取られて……。
「えっ、ちょっと……なに!?」
わけもわからず、空き教室に連れ込まれる。
──そして、冒頭に至る。
「ま、まって……!」
鼻と鼻が触れる位置で動きが止まった。
……というか、止めた。



