*EP.07おまけ(森下Side)*


3歳のとき、今住んでいるマンションに引っ越してきた。

そこには同世代の子が何人もいて、毎日のように一緒に遊んでいたからみんな幼なじみ。


その中に輝がいた。


特別仲が良かったわけではないけれど、なんだかんだ保育園から高校まで一緒になってしまった。


そんな輝と幼なじみ以上の深い仲になったのは、高校生になってから。


あたしたちの間に恋愛感情はない。

もとめられたら応えるだけの関係。


後ろめたさとか気まずさとか一切なくて。

だから、今でもこの関係が続いているのかもしれない。


学校では他人のふりをして、必要になったらもとめる。

好きじゃないし、付き合いたいとも思わない。

お互いそうだから楽でいい。


輝に彼女がいても、あたしに彼氏がいても、それとこれとは別だと割りきって考えられた。


……だけど。


輝と彼女が一緒にいるところを見て、肉体関係がなくても傍にいられる関係を羨ましいと思ったことがあるのは事実。

当然、有咲にも思ったし、だから目の敵にしていた。