その声に誘われて、他のクラスメイトの意識がこっちに向く。

まるで音楽隊のゆかいな演奏に引き寄せられるように……。


バレるのは時間の問題だったにしろ、そんなに盛り上がるような話題かな?

たかが男女が一緒に登校してきたくらいで……。


……盛り上がるか。

ガードが固いって言われている瞬が相手だもんなぁ……。


ごくりと息を呑むような雰囲気が広がって。

みんなが瞬の回答を待つ。


「フィアンセ」


後ろから聞こえてきたのは、意地の悪さを含んだ──それはそれは楽しそうな声だった。





EP.06へ続く