朝、キスして。


やがて、通学路に同じ制服の人たちが姿を見せ始めた。


……うっわ、最悪だ……。

すっかり頭から抜け落ちてたけど、私が一緒に登校してるのって瞬じゃん!


何を今さら、と思うかもしれない。

違うの。忘れてたの。


瞬がモテることを!


登校する人たちがチラチラ見てくるんですけど…!


今日に限ってポニーテールにしちゃったよ。

これじゃあ、髪で顔が隠せない。


油断した。

完全に油断した!


それからは、どう教室までたどり着いたかわからない。


瞬と会話をしながら、でも視線も気になりながら……。

心臓に悪い登校となった。


***


「瞬、おっはよー!」


始業ベル、5分前。

この時間になると、どっとクラスメイトが登校してくる。


その中でも一際陽気な声でやって来たのは、私の前の席の吉田くん。


後ろのドアから入ってきて、瞬に挨拶しながらそのまま私の横を通り過ぎる……と思っていたんだけど。

瞬の席で立ち止まって、話し始めた。


「そういや、さっきそこで面白い話を聞いたんだけど」