朝、キスして。


半ば確信のようなものがあって。

“そうだ”って言われると思った。


だけど、瞬が出したのは正反対の答えだった。


「違う」


顔が見えないから、今どんな表情をしているのかわからない。

どんな目でそう言ったのかわからない。


……けど。

声だけは、青空を一直線に伸びる飛行機雲みたいに、鮮やかでまっすぐだった。


幼なじみとしてじゃないの…?


“じゃあどういう意味?”

そう訊こうと思ったけど、やめた。


『違う』

その答えに心が揺れた。


だからこそ、本当の意味を知るのが怖くて、訊けなかった。