朝、キスして。


「それ以上、上に移動させたらぶん殴るよ」

「うん、わかった。その代わり、俺の言うことも聞いて」


聞く聞く!

なんでも聞くから、早く離して!


くすぐったくて、熱くて、ゾクゾクするような感覚。

もういろいろ限界なんだって。


……そんな私に届いたのは。


「俺以外に触らせんな」


瞬にしては鋭い声だった。


私はこのとき、確かに胸の高鳴りを感じた。


抱きしめられて、お腹を触られて。

ただでさえドキドキしていたけど。


その中に、ドクンと脈打つような高鳴り……何かの始まりを告げるような鼓動を感じ取った。


俺以外って……まるで瞬には触らせていい、みたいな。


「どうして?」

「有咲は俺のだから」

「……瞬のものになった覚えはないけど」

「じゃあ、これから俺のものにする」


返ってくる言葉はいちいち力強くて。

ちょっぴり意地悪。

優しさのかけらが欠けた瞬を見るのは初めてかもしれない。


「それは……幼なじみっていう意味で?」


私は恐る恐る訊いた。