抱きしめる力がぐっと強くなった。
「ごめん」
素直に謝られると調子が狂うんですけど……。
抱きしめられている事実を受け止めきれていないっていうのに。
「……ねぇ。本当のことを話したんだから、そろそろ離して?」
「やだ」
「やだって……、っ!」
なっ!は!?
……ちょっ、タイム!タイム!
待って…!
「どこに手突っ込んでんの!」
思わず声を荒げてしまった。
いや、だって……
服の下に手が入ってきたんだもん!
「触られてたよな」
瞬はそう言いながら、するりと潜り込ませた手で私のお腹に触れる。
触られてたってなんのこと!?
意味わかんないんだけどっ!
こんなところ誰にも触られ……、はっ!
もしかして、転びそうになってハルくんに助けてもらったときのことを言ってる?
「あれは、転びそうになったのを助けてもらっただけで」
「わかってる。……でも、触られてた」
いやいやいや。
だからって、瞬みたいに直に触られてないから!



